教育随想 773回 最初の4行で読み深める 「スイミ―3場面」
ねらい
すばらしい海の世界の様子読み取り、その中でしだいに元気を取り戻してい くスイミーの心情を想像する。
指導にあたって
〇場面最初の接続詞。
「けれど」とは反対の接続詞である。まぐろのこわいものに対する「すばらしいもの」をスイミーが発見することで、だんだん元気をとりもどしていく様子が描かれている。
〇海のすばらしい世界を感動をもって発見し、喜びとするスイミーの心情に寄り添えるようにする。
★最初の4行を課題として問題解決学習を実施する。
★指導書に「スイミーにしてあげたいこと」という指示があるが、これでは、スイミーに同化することはできない。客観的に主人公をとらえようとしている
とらえる
② 「けれど」の前後の意味をおさえる。
②すばらしいもの、おもしろいもの、どんなものがあるか、音読してみよう。
起立⇒各個人で音読(ゆっくりと)⇒着席・・・最後のほうにすわった人をほめる。(ゆっくりと読んでいる。たどたどしくてもよい)
※「ゆっくりと」⇒「心にきざむように読みなさい。」
「走らないで歩くように読みなさい。」
再度、音読をする。・・・さらに、ゆっくりとなるだろう。
課題
スイミーが元気をとりもどしたすばらしいもの、おもしろいものを見つけよう。
たしかめる
①スイミーが見つけたものを線で囲む。
②みつけたものを発表する。
③どんなところすばらしい、おもしろいのかを考える。
※みつけたものを板書
ノートに書けない場合、あとで、学習が終わってから絵と文章であらわしてもよい。
ふかめる
それぞれ発見したもののすばらしさ、おもしろさを出し合って、スイミーに寄り添う。
子どもたちが自分で豊かに想像していける場面である。
このような場面は、子どもたちの個性的な感性を大切にする。
子どもたちによって経験の差があるが、肯定的に受け止められる教室の空気を育てる機会である。
どんなことがすばらしい、おもしろいのかを具体的に想像する。
このような場面は、教材を通して、先生と子どもたちが仲良くなる所である。
① くらげ
にじ色・・・どんな色か。どんなふうに見えているのか。
ゼリー・・・クラゲを見た経験を出し合う。
※海面を浮遊して日光にあたっている。寒天のような質感。
②いせえび 大きなえび
くらげの柔らかさに対して硬さ、強さを感じ取っている
※えびがはさみを動かす様子、歩く様子を想像させる。
③見たこともない魚たち
みえない糸でひっぱられている。
みたこともないから、大きく移動していることがわかる。
※「みえない糸で・・・」
ここがスイミーが大きな魚をつくろうとしてヒントになっている。
④こんぶやわかめの林
ドロップみたいな岩・・・色とりどり
「林」として感じるスイミーの大きさ
※色とりどりの美しさ、その中にいるスイミーの気持ちを想像させる。
⑤うなぎ
問「スイミーが最初にみたものは、うなきの顔、それともしっぽ、どちらか」
しっぽを見て顔までもみようとする冒険心、探求心、好奇心を読み取る。
※スイミーの冒険心、にげないで顔まで見ようとする勇気を感じ取らせたい
⑥いそぎんちゃく
子どもたちは知っているか
風にゆれる触手
穏やかな海の底を表している。
6つのことを分担して群読にすると楽しい。
言葉で追究するのもよいが、こどもたちにとっては、声に出して様子を語らせることが大切である。
6つのことを分担して群読にすると楽しい。