教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 539回  教材研究 直接対決から 取り出し研究へ

教材研究については、今までもいくつかお話させていただきました。
それらをもう少しまとめてみたいと思います。


教材研究で最も大切なことは、「教材に対する先生の直接対決」です。
今の現場を見ても、このことがほとんど実施されていないように思います。
教材を教える技術が先行されています。
最初にくるのは、教材を子どもたちにどのようにわからせるのかではありません。
先生が自分の研究として教材と対決することです。


先生が直接対決しなければならない教材研究
教材を直接対決して、「おもしろい」「なるほど」「疑問」「もっと知りたい」と素朴な感想を持ちます。
どこが難しかったか、解明に困難を感じたかをあげていきます。
その教材を通して、先生自身、何を学び取ったかを考えます。
この教材がわかるためには、どういう資料にあたる必要があるかを考えます。


このようにして、先生が教材を楽しみます。
理科で野草の教材がありますが、まず、自分で野原を歩いてみることです。
少し話がとびます。
保育園の園児たちが野原で遊んでいました。
そのなかで、何人かの子どもたちがちょうちょを追っかけていました。
にこにこ笑いながら、ちょうちょのあとを追いかける園児の列をみました。
その時に、この子たちは直接、自然とであっていると思いました。
ちょうちょの学習を小学校で学びますが、すでに、園児たちは貴重な体験を得ています。


先生も同じです。
教材を頭だけで理解するのではなく、実際に解いてみる、動いてみる、見学してみる、実験してみることを通して、自分の肌を通すことが大切だと考えます。
一見、おもしろくない教材であっても、おもしろくなるまで研究することです。
先生がおもしろくない教材を子どもたちが楽しいわけがありません。


次に、直接対決が終わると、「とりだし作業」が始まります。
〇子どもにつけさせたい知識、技能は何か。
〇子どもを自主的な学習に導くためには、どこから切り出し、どういう道筋をたどらせるか。
〇理解の容易な点、困難な点をはっきりさせる。
〇困難な点を学習の重点指導として計画する。
〇教材を子どもたちに学ばせるとき、到達点を明確にする。
〇教材の成果を評価
するとすれば、いかなることがらについて評価するかテスト問題を
  考える。


教材の直接体験➡教材の取り出し➡学習指導案へと進めます。

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