教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 453回  学習問題を追究させる過程 3つの分節に分けて

授業において、学習問題を追究させる過程においては、今までいろいろな実践が試みられてきました。
授業者は、自分の実践を通して、自分なりの方法を見つけてきました。
その目標は、自分の教えたいことを教える過程ではなく、より子どもたちの学びに近づく試みでした。
すべては、教室の子どもたちの実態から出発したものです。


私が実践してきた学習過程は3段階の分節による授業過程です。
「とらえる」「たしかめる」「ひろげる」の3段階です。


「とらえる」
めあてをおさえる  問題をとらえる  見通しをつける  調べる など、主として一人の活動です。


「たしかめる」(深める)は
自分の考えを出し合う  確かめ合う  やり方がわかる  さらに考えを深めるなど、
グループや全体学習を中心とします。


「ひろげる」は(きたえるも含む)
練習する  覚える  さらなる問題を見つける  もっと学びたいことを広げる
主として一人またはグループの活動になります。



とらえる段階の指導について
一通り教科書を読み、その教材から
    何がわかれば、できたらよいのか。
    心に受け止めなければならないのは何か
前に学習した同じ系統の教材、あるいは、類似した教材を類推させる。
さらに、取り出した問題を、中心になるものとそうでないものとに振り分ける。
学習問題と疑問点を混同させないようにする。
配当時間は先生が示す。


この段階は、主として「ひとり調べ」が中心です。
授業の土台になる活動であり、学びの出発点でもあります。
ひとり調べについては
問題を解くのに必要な基礎的なことがらについて、今までの学習を想起して活用。
必要とする資料・辞書・事典を見つけて活用。
考えた理由、道筋を明確にして、ことばとして表現。
不明な点、疑問点の明確化。


教科や学習内容の違いで、指導内容は少しちがってきます。
先生が上のような形式に縛られないことです。
こうするのだと追い込んで授業を実施すると、先生の予定された思いに子どもを当てはめてしまうことになります。
当日の子どもの状況に応じて修正します。
子どもに合わせて先生が変わればいいことです。
次回は「たしかめる段階」です。

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