教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1115回 授業は 教科書の表紙 から始める

子供たちが目に入る順に学習します。
教科書をもらったら、まず、目にするのは教科書の表紙です。
表紙は子供たちの気持をひきつけるための工夫がなされています。


授業の始まり。
子供たちは目次をとばして単元教材のページを開いています。
「教科書の表紙から勉強しましょう」(子供たちの戸惑い)


表紙は教科書によって違いますが、一つの例を挙げていきます。
国語の表紙
つるが伸びています。
そこに一羽の鳥が止まっています。
そのつるのあちこちに子供たちが立っています、ぶら下がっています。
花の香りを楽しむ子。
友だちと語り合う子。
手を広げて空を見上げる子。
花や実を持っている子。


表紙を見て、おもしいろいなあ、すてきだなあと思ったことを三つあげてごらん。」
誰にでも答えうる質問です。
子供たちは、自分の感覚で表紙に向き合います。


全員に聞きます。
三つのなかで一番をだしてごらん
黒板にかきます。
二番目、三番目を挙げていきます。
そうすると、友だちどうしで共通な感じ方、違った感じ方を発見します。
人間は同じ、人間は違うということを改めて意識させます。


さらに、次のような指示も面白いです。
この表紙の絵にあなたはどこにいますか。書き入れてごらん」
「さらに、一つ書き加えるとすれば、あなたは何を加えますか。いれてごらん。」


なんでもない指示ですが、このようにして、子供たちと遊ぶのです。
絵によっては、「先生はどこにおればいいのかな」と言っていれさせてみるのも面白いです。
先生の位置がその子にとって先生との距離感であり願望なのです。


表紙にはタイトルがあります。
「めばえ」「かがやき」「銀河」「宇宙」・・・
「なぜ、この名前がついたのでしようか」
子供たちに自分の考えを交流させます。
表紙の名前には、教科書をつくった人の願いが込められていることに気付かせます。
「銀河」5年 「創造」6年・・このタイトルの意味を追求させると一年間の学級目標にたどり着きますね。


どひらの詩はみんなで声をそろえると雰囲気が明るくなります。
さらに、短い詩ですから暗唱させます。
暗唱したことをお互いに確かめあいます。
音読の声をそろえると明るい空気が生まれます。
仲間を意識した活動です。


目次、どんな勉強をするのか想像させます。
わからなくて当然です。
そこに興味関心を持たせます。


算数の場合は、目次に「ちょっと苦手かな」という項目に印を入れさせます。
子供たちの算数に対する学びの傾向をチェックします。


易しい教材、誰もが参加できる内容を設定することで、子供たちが土の中から顔を出せるようにします。


亀は首を出したときだけ前に進む。

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