教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1114回 授業の始まり 教材で子供と仲良く

新学期が始まりゆっくりと授業を進めます。
年間学習指導計画に縛られて、最初からアクセルをふかして授業を実施します。
計画にしたがって、学習指導目標を遂行しようとします。
果たして、どれだけの子供たちがついてこれるでしょうか。
どれだけの子供たちを失望させることでしょうか。
「やっぱり今年の先生もぼくにはあわない」と頭を下げます。


子供たちの多くは「今年こそ、頑張るぞ」という進級に伴って新たな期待を持っています。
子供たちは勉強に頑張りたいのです。
前の学年で、置いてきぼりにされた子供。
内容が簡単すぎて面白味がないとした優秀児。
放課後の塾でもう一度勉強するから、授業中は聞き流しをする子供。


授業者は、学習指導にもとづいて教科指導を進めます。
教材内容を理解させるために一方的に指導を始めます。
いや、一方的ではなく子供たちに配慮したものにしているという方もおられます。


しかし、子供からの立場で考えてみましょう。
まだ親しくない先生との勉強、不安。
進級して少し難しくなった教科書、ついていけるかなという不安。


それらの不安を解消することから授業は始まります。
だから、先生は授業において子供と仲良くなるのです。
決して、遊びや雑談で仲良くなるのではないです。


授業で子供たちと仲良くなります。
媒体は教材ですね。
4月ぐらいまでは、教材のレベルを下げます。
少しずつレベルアップします。
教材の核になる部分をしっかりと習得させますが、末端の部分は省略します。


なぜそうするのか理由を言います。
子供たち全員の学習意欲をアップさせるためです。
学習意欲をアップさせていくと、後になって教材の進み具合が早くなります。


6年生の算数でいうなら、子供たちに学び方を指導します。
6月ぐらいから教科書を自分で予習できるようにします。
宿題の撤廃です。
そうすると多くの子供は夏休みには、上巻終了します。
一年間で言えば、12月には教科書を終えることができます。
予習を進めることで、授業が復習になるからです。


少し話がそれました。
教材で子供たちと仲良くなるために、簡単で誰もが授業に参加できるようなところから入ります。


それが各教科の教科書の表紙、とびら、目次です。
次回にお話します。

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