教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1030回 国語「やまなし」独り言 その5

なしをかにたちは、どのように受け取ったのか。
    そのとき、トブン
     かわせみだ 
       やまなしだ
         やっぱりやまなしだ
           おいしそうだね
              さあ、もう帰ってねよう
かにの気持ちを想像するかぎになる6つの言葉です。


課題1「すっかり変わりました。どんなところが変わったのか」


五月になかった景色が登場します。
言葉を拾ってイメージを広げます。
「白いやわらかな丸石」
おかしな言葉ですね。石がやわらかいとはどういうことでしょうか。
このあたりも子どもたちは想像力をはたらかせるでしょう。


「小さなきりの形の水晶のつぶ」
「金雲母のかけら」黄色、褐色
夜の谷川で差し込む月の光で美しさが浮かび上がっています。
「流れてきて止まりました」
「流れてきました」ではありません。
かにの目の前までゆっくりとスピードを落として止まった。
かにの周りは静かに輝いています。


月光・・・「ラムネのびんの月光がいっぱいすき通り」
     水の中の全体が、ラムネのびんのようになっています。
     その中いっぱいに月の光が広がっています。
     隠喩になるのでしょうか。


水面・・・「見上げると青白い火をやしたり消したりしているよう」
     水面の上から降り注ぐ月光をイメージします。
 静けさが強調されます。「辺りはしんとして」


次の接続詞「ただ」は重要です。
前の文の静けさをさらに補足する時に使います。
補足の接続詞と呼ばれています。
「いかにも遠くからというように・・・ひびいてくる」
近くから聞こえているのに、遠くから聞こえてくるように感じられるぐらい小さな音ですね。


その後かにたちは、楽しそうなあわの大きさくらべをしています。
冬の夜、冷たいはずの谷川の底にぬくもりが感じられます。
「やっぱりぼくのあわは大きいね」から始まって兄弟の会話が続きます。
会話文だけを子供が役割を決めて対話するのもおもしろいでしょう。
臨場感がでてきます。
やっぱり…大きいね
もっと大きくはけるよ
そら、ね、大きいだろう
大きかないや
いっしょにはいてみよう
やっぱり…大きいよ
だめだい・・・
そうじゃないよ。ぼくのほう、大きいんだよ
弟かには泣きそうになりました
太線の言葉に、話し手の気持ちを表すように音読できるようにします。


かに気持ちがあらわれる読み方は、どの言葉にポイントを置けばいいかを指導してみると面白いでしょう

×

非ログインユーザーとして返信する