教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1021回 私のつまらない 小さな授業技術

今回、お話するのは、私が授業者として最初(新任)の時に身につけた技術です。
それはどうでもいい技術ですが、私にとっては、大切な技術でした。
少し笑って聞き流してください。


その1 授業が始まったら時計を見ない


一時間の時間感覚を身につける。
教材の進行と時間の流れを同時に把握できるようにする。
腕時計も教室の時計も一切見ないでチャイムと同時に終了できる。
時計を見ることは、子どもから目をそらすことになる。
時計を見ながらの授業は、すでに心は子どもと教材から離れている。


授業終了と同時にチャイムがなるように指導を進める。
もちろん、簡単にはできない。
できる時もあるがそうでないときのほうが多い。
しかし、試みているうちに、同時とはいかなくても授業終了1,2分前ぐらい終われるようになる。
これを何十年間も実践すると、今でも私の勉強サイクルは45分間になっている。


他の先生にとってはどうでもいいことなのですいません。
しかし、私にとっては、授業にのめりこむひとつの手だてでした。


その2 教科書を手に持たない。


子どもから目を離さないという点で、教科書を手にして授業しないようにした。
もちろん、どうしても板書する必要があるときは手に持つ。
教科書はできるだけ覚えるようにする。
覚えなくても頭に入れておく。
教科書も指導案も机上において、どうしても必要な時のみ確認する。


その3  子どもたちを目に入れる視界を広げる。


教室の前に立つときの視界。
視線はまっすぐに前を見る。
その時の左右の視界を広げる。
子どもたちからは、自分が、できるだけ広い範囲で子どもの姿を見る。
逆に、全員の子どもが視野に入るところが先生の立つ位置である。
子どもの個人学習は、教室の斜めすみにたって見ると、視界の角度が小さくなる。


一人の子どもの発言を正面で聞いている。
その時、その子を中心に、聞いている子どもをできるだけ多く視野に入れて子どもの反応を確かめる。
子どもの話を聞くときは、その子も大切であるが、周りの学びの姿勢が気になる。


その4 子どもに背中を向けて板書する時、背中で子どもの姿を見る。


板書を写す時の子どもの書く音。
ざわつき、話し声、集中度などを確かめる。
子どもに机間巡視で個別指導しているとき、背中で周りの子どもたちちを把握する。


まだまだあるのですが、また、時々、お話します。
これらの技術は、退職後、今でも自分なりに活用しています。
つまらないことを言いました。


どれも子どもに集中したいという私の思いから始まったものです。
授業参観では、後ろの参観者をみることはありません。
見てしまったら自分を戒めます。
子どもから目を離さないで一時間を終わります。

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