教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年6月のブログ記事

  • 教育随想108回  一年間、担任を引き受けたからには

    昔からの言い伝えに「習い事は百日を要する」というのがあります。 いやなことでも、つらいことでも百日我慢して続けると自分から進んでやってみようとする気力がでてくるものだと諭した言葉です。 百日は3ヶ月余りです。一学期に相当します。 その中で先生も子どもたちに我慢して働きかける3ヶ月です。 子どもたち... 続きをみる

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  • 教育随想 107回    教室から物がなくなるとこの意味

    6月になると、子どもの持ち物がなくなることがあります。 今まで、何もなかった教室に、「先生、机の上においてあったケシゴムがないです」「鉛筆がありません」という子どもからの訴えがでてきます。 ケシゴムや鉛筆ぐらいなら、持ち主が落としたか、どこかで置き忘れたのかも知れないと考えるのですが、「筆箱がない... 続きをみる

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  • 教育随想 106回 清掃活動に見られる学級の成長

    清掃活動、3か月もたつと活動時間が短くなってきます。 4月は、とりかかりが遅く、ずいぶん時間がかかっていましたが、子どもたち同士の距離が近づくと、清掃活動や給食当番の活動が早くなってきます。 学級の楽しさ、居心地と清掃活動の質は比例するようです。 清掃の時間。 だれが清掃用具のロッカーに一番に行き... 続きをみる

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  • 教育随想 105 回  「はい」という返事は 学級の高まりのバロメーター

    学級づくり3か月目に入りました。 4月の時と比べて何かが違ってきたのではと思うことはないですか。はっきりと形になって表れるものもあれば、なんとなくそんな感じがするなあというものまでいろいろあります。 変化の一つとして返事の「はい」です。 返事の「はい」は、拝むという漢字が語原だそうです。 「拝み受... 続きをみる

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  • 教育随想 104回  女子が主人公になった  学級崩壊

     学級崩壊は、数人の男子(私は3人)が学級の空気を壊していきます。  授業妨害,規則を守らない、何よりも先生に対する不服従という状態がおこります。 女子が中心となって学級の空気を壊していく崩壊に出会ったのは、たった一回だけでした。男子よりも女子の方が指導しにくいものです。 学級崩壊のクラスを参観し... 続きをみる

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  • 教育随想 103回 精神年齢が低下する子どもたち

    質問内容です。 ・最近の子どもたちについて   数年前に比べると、「わがまま」「自己中心」などの子どもが増えていると思うのですが…。今の子どもたちの特徴を話してほしいです。(先生が感じられていること) ①精神年齢の低下――困難を乗り越えるための耐性の低下 子どもたちの精神年齢は、実年齢に0.7をか... 続きをみる

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  • 教育随想 102回  能力差はあっても意欲差なし

    質問内容です。 見通しを持ち行動できる子と、そうでない子の差をうめるには、どうしたらいいでしょうか。クラス全体の底上げを図るための手立ては? 子どもたちみんなが見通しをもてるという意味での底上げなのでしょうか。 全員が同じレベルの見通しを持つこと、持たせることは難しいことです。  車を運転している... 続きをみる

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  • 教育随想 101回 低学年の学級経営 指導性よりも人間性を強く

    こんな相談内容がありました。     低学年の学級経営について  どんな活動をして どんな言葉をかけて どう評価する?   学級づくりとは、一人一人の学習意欲を中核にして、集団の生活機能を高め、学習効果の発展を願う教師活動の総括をさしています。 生活、環境、社会能力(躾)学習能力、個性  すべての... 続きをみる

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  • 教育随想100回 宿題は家庭で一人だけでできることが条件

    相談内容 ・漢字、計算など基本的宿題を全員にさせる手立ては何かあるのでしょうか?忘れている場合は別にして、たびたびしてこない子に何かいい手立てはないでしょうか?  宿題をどのようにとらえているのでしょうか。  授業の補習としての宿題なのか(その時間内で終えられなかったから)  だとしたら、終えられ... 続きをみる

  • 教育随想 99回 決まりは学級生活を良くするためのもの

    質問内容 前へ向かって進み始めた子どもたちへの次へのステップへの手立て       ↓ 自分たちのやりたいことをやり遂げようとしている 目的「こうしたい。」という思いを持って動ける *しかし、「きまり」や「枠」にとらわれたり、とらわれすぎたりして、思い切れないことが多々あります。(学校自体もきまり... 続きをみる

  • 教育随想 98回 子供との約束ごとが多いほど子どもは離れる

    「学級集団は、彼をどう受け止めているのか」   この問題についてお話します。 前回の質問から ・授業中、自分の意見を発表するとき以外はほとんどふざけたことを言うことが多い児童が2名いる。生活のルールも守れなく、みんなに迷惑をかけている。教師だけでなく、児童たちからも2名の子に自分たちの考えや願いを... 続きをみる

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  • 教育随想 97回 注意・叱責は先生の自己満足

    今回から数回にわたって、かつて、先生方から研修の場で質問されたり、個人的に相談されたいりしたことについての私なりの考え方をお話しします。 質問内容 ・授業中、自分の意見を発表するとき以外はほとんどふざけたことを言うことが多い児童が2名いる。生活のルールも守れなく、みんなに迷惑をかけている。教師だけ... 続きをみる

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  • 教育随想 96回  言葉が先行しすぎる 先生の指導

    子ども同士で成長できる集団とはどういうことをさすのでしょうか。 お互いに支え合っていく集団、切磋琢磨していく集団、お互いのあり方を受け入れていく、認め合っていく集団、厳しく指摘しあっていく集団、お互いの良さを学び合っていく集団・・・いろいろありますね。 先生サイドから見てみましょう。 「みんななか... 続きをみる

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  • 教育随想 95回  発言の基礎は 「○○は○○と考えていいですか」

    今までに何度かお話ししたように、学習の最初にあるのは「わかりません」という子どもたちの意思表明です。  ただ、「わかりません」と言いなさいと先生が指示しても、簡単にはできません。  具体的にどうするかということを子どもたちの実態を通して考えていきます。  先生の指導技術は、参考書からではなく目の前... 続きをみる

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  • 教育随想 94回 話し合い 間合いをとることの大切さ

    友達の意見を自分の頭のなかに沈める時間が間合いです。 話し合いをさせるとき、どうしても子どもたちは、時間をおかずに話し始めます。 友達の発言のあとにすぐに話をしだしたら、考えるための時間がなくなりますね。 最初は難しいですが、間合いがなくなってきたら先生が注意を促します。 やがて、1ヶ月もすると、... 続きをみる

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  • 教育随想 93回  話し合いはペアから 日常生活の会話に近づける

    自由に話し合いができるようにする技術的なものは難しいですが、まずは、授業の中での話し合いを日常生活の中での話し合いに近づけることから始めます。 話し方指導として、基本話型をもって指導することがあります。 低学年や最初の段階で、その方法を使うことはあります。 しかし、それでは、柔軟に子どもたちの思考... 続きをみる

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  • 教育随想 92回 話し合いばかりが目的化している授業

    日本の学校の授業は、一斉授業方式や講義形式が多すぎると言われていた時代がありましたが、今では、授業スタイルにこだわり「かっこいい授業」を求めている先生も多いと思います。 私もその一人であったと思いますが、そこには危険性もあります。 かつて、45分間をすべて子どもたちだけによる話し合いが行われていた... 続きをみる

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  • 教育随想 91回 自由発言の暴走 発表形式による話し合いの育て方 

    私は、新任のころから、授業を進めるにあたって、手を挙げて、指名を受けて、椅子を引いて立ち上がって発言することに疑問を持っていました。 挙手⇒指名⇒発言の場合、子ども同士の話し合いのつながりが切れます。 発表ならいいのですが、話し合いは時間をおきません。 話し手と聞き手がお互いに交代しあって話の内容... 続きをみる

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  • 教育随想 90回 参観授業 どこを参観すればいいのか

     六月は土曜参観、日曜参観の月です  先生にとって、土曜参観は、やはり緊張するものです。一年間の営みをわずか2時間程度の時間で理解してもらうわけですから。  服装や言葉づかい、教室掲示がいつもと違えば子どもたちも緊張するのは当たり前でしょう。  参観授業で多いのは、子どもの発表会的なものです。作文... 続きをみる

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  • 教育随想 89回 授業者は、挙手しない子どもに焦点をあてる

    子どもたちは、自信がないので小さな声で独り言のように話します。 先生が自分の声を拾ってくれたらいいのになあという思いもあります。 あるいは、自分の気持ちがすぐに言葉にでてしまう子どももいます。 そこで、「独り言ですか、発言ですか」という問いかけ。 ぼそぼそ言わせないで全体に聞こえるように指導します... 続きをみる

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  • 教育随想 88回 つぶやきから始める学びの道

     学年に関わらず、次のようなつぶやきが内外に表れるとき、学習が深まっていきます。 「なぜ」「ほんとうに」「えっ、ちがうでしょ」 「やっぱりな」「でもなあ」  学習に表れる言葉、子どもたちが学習意欲をあらわしている言葉です。  授業においては、この言葉をとりあげて活用します。 「えっ、ちがうでしょ」... 続きをみる

  • 教育随想 87回 つぶやき つぶやき そして つぶやき

    話し合いの育てる 発表形式   話し合いを活発にするためには、先生自身の話し合い活動に対する考え方、ねらいがどこにあるかを吟味します。  一つ目は、話し合いをさせるために学習する。  二つ目は、学習するために話し合う。 子どもの必要感からいうと、二つめのねらいになりますが、先生が、話し合いの形式を... 続きをみる

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  • 教育随想 86回  わかるとは わかりなおすこと

    分数の加減乗除の意味がわからなくても計算はできます。 筆算の仕組みがわからなくても筆算ができます。 漢字の学習では、覚えることと漢字の意味や成り立ちがわかるということが切り離されていることが多いです。したがって、作文のなかでは覚えたはずの漢字が使えません。 子どもたちは、知識を「覚えるべきもの」「... 続きをみる

  • 教育随想 85回 昼寝ができる自然学校 子どもたちを自然に放せ

    各学校で自然学校が行われています。 校庭や家に植えられている植物に見向きもしない子どもたちが、果たして、お金と時間を費やして、遠くにある自然学校で過ごすことが意味のあるものなのでしょうか。 毎日の鳥のさえずりに耳を傾けるようなことが、普通にできるような子どもたちに育ってほしいと思います。 自然に向... 続きをみる

  • 教育随想 84回 ノートのレベルアップは 模倣から    

    子どもたちのノートをレベルアップする効果的な方法は、次のような方法です。  先生自身が子どもに成り代わって、模範ノートをつくることです。  背面掲示板に「ノートレベルアップコーナー」をつくります。そこに、先生のノートを掲示していきます。  子ども用のノートに、実際に子どもたちが書けるようにノートを... 続きをみる

  • 教育随想 83回 思考過程がわかる ノートづくり

    どのような課題をもって、どのように学んでいったかがわかるノートづくりです。  課題は囲み記事にします。  左がわ2cmから3cm程度の縦線を入れます。  見出しを書く欄にします。  理科では  問題(疑問)→予想(仮説)→実験(観察)計画→わかったこと→考えたこと→さらに疑問・・・問題の探求過程が... 続きをみる

  • 教育随想 82回  ペアによる聞く指導 未決定も決定である

    ペアによる聞く指導、だいたい一学期に重点的に指導します。 ペアで討論させます。 何かを決定させます。 できれば二者択一の課題がいいです。 AかBかという討論をさせます。 その結果を発表させます。 「話し合った結果・・・の理由でAにしました。 あるいは、「話し合った結果・・・の理由で決定できませんで... 続きをみる