教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1119回 子供を一旦 野性化させる 解放させる

かよし学級の先生からうかがったことです。 新年度は、なかよしの子供たちは、交流学級にいることが多いそうです。 担任する4人の子供たちの様子を見るために、それぞれの学級を巡回しているということです。 その先生が、「それぞれの学級の雰囲気が大変違うものですね。この差はどこからきているのでしょうか」と質問されました。 新学期の学級。 興奮している子供たちがざわついてる集団。 先生の話を適当に聞き流して…

教育随想1117回 先生の視野の外にいる子供たち 授業

散策のとき、近所の学校の横を通ります。 運動場が緑道に面しています。 体育の授業が行われています。 先生が子供たちに助言、指示を出しています。 先生は、子供たちを集めることなく指示を出しています。 その時の目は全体の子供を把握していません。 言葉が空中をさまよっています。 子供を視野に入れて話していません。 子供たちは「あっちや向いてほい」です。 街の公園に校外学習で中学年ぐらいの子供たちが来て…

教育随想 1116回 新学期の授業 力を抜いて 手を抜いて

授業は子供に知識を伝えるもの。 授業は文化遺産を伝えるもの。 今までの文化を子供たちに伝えるもの。 そのための年間学習指導計画。 授業はもう一つの側面がある。 学ぶ意欲、学習意欲を育てる。 子供に学びに対するエンジンを取り付ける。 学ぶ意欲は、教材の面白さ、わかりやすさと難しさ、自分もできるという有能感を前提とする。 さらに、大切なことは、学ぶ環境、雰囲気。 その中の一つに授業者との心的距離。 …

教育随想 1115回 授業は 教科書の表紙 から始める

子供たちが目に入る順に学習します。 教科書をもらったら、まず、目にするのは教科書の表紙です。 表紙は子供たちの気持をひきつけるための工夫がなされています。 授業の始まり。 子供たちは目次をとばして単元教材のページを開いています。 「教科書の表紙から勉強しましょう」(子供たちの戸惑い) 表紙は教科書によって違いますが、一つの例を挙げていきます。 国語の表紙 つるが伸びています。 そこに一羽の鳥が止…

教育随想 1114回 授業の始まり 教材で子供と仲良く

新学期が始まりゆっくりと授業を進めます。 年間学習指導計画に縛られて、最初からアクセルをふかして授業を実施します。 計画にしたがって、学習指導目標を遂行しようとします。 果たして、どれだけの子供たちがついてこれるでしょうか。 どれだけの子供たちを失望させることでしょうか。 「やっぱり今年の先生もぼくにはあわない」と頭を下げます。 子供たちの多くは「今年こそ、頑張るぞ」という進級に伴って新たな期待…

教育随想 1113回  掲示物は生もの 賞味期限が過ぎたら外す

新学期には、学級のきまり、時間割、係活動等、多様な掲示がなされています。 それぞれの掲示物には賞味期限があります。 一学期掲示されたものが一年間はられていることがありませんか。 学年末には、掲示物の色がくすみ腐りかけていることがあります。 白くまぶしかった画用紙は、学年末にはくたびれてしおれています。 仏教には「縁」という言葉があります。 私たちは縁のなかで生きています。 「縁」とは、条件、ある…

教育随想 1112回 新学期準備 教材研究で子供と仲良しになる

各教科の教科書を一読する先生は少なくなりました。 授業が大切だと思われるなら、子供たちとの媒体としての教材に目を通す必要があります。 今は、指導書に加えてネット情報に支えられながら授業準備をします。 その時においては、指導方法ばかりに目がいっています。 教材の意義、本質について問い正すことはありません。 教科書を読む、おおざっぱでもいいです。 一年間、子供たちがどのような教材に出会うのか、指導者…

教育随想 1111回 新学期 前担任から子どもの情報 懐疑的に

新しい学級の担任が決まります。 専科の先生は自分の受け持つ学年、学級がわかります。 その時に必ず、前担任、担当者との引き継ぎがあります。 事務的なこと、行事に関すること。 そのなかに子どもたちの情報のやりとりがあります。 私は、子どもについての情報に耳を傾けます。 しかし、そのことは記憶の端にとどめるだけにします。 できれば聞かないほうがよいこともあります。 「この子は素直で問題のない子です」 …

教育随想1110回 新学期 言葉・指導よりも先生から吹く風

レストランに行くことがありますね。 入店した瞬間、すでにレストランの風が吹いています。 張りつめた風、わくわくする風、なんとなくけだるい風・・・・。 すっきりとさわやかな風が吹いているレストラン。この風はどこから吹いてくるのだろうかと考えます。 見えるものは、ごみ一つ落ちていていない床。 清潔でていねいに整理されたテーブル。店員の落ち着いて歩く姿。 聞こえるものは、入店と同時に耳に届く「いらっし…

教育随想 1109回 世間に批判されない、目のつけられない学校運営

護者クレームがさらに多くなっているようです。 自分の子どもの雰囲気にあっていないから担任を代えてくれ。 厳しすぎるから自分の子どもが不登校になろうとしている。 そのために、赴任して2年間で今年転任が決まった先生がいるそうです。 マスコミも学校のトラブルに対しては、批判的に報道します。 小さな事象を教育の危機であるかのように膨らませて報道します。 それは、学校が反論しないからです。 「申し訳ありま…