教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1113回  掲示物は生もの 賞味期限が過ぎたら外す

新学期には、学級のきまり、時間割、係活動等、多様な掲示がなされています。 それぞれの掲示物には賞味期限があります。 一学期掲示されたものが一年間はられていることがありませんか。 学年末には、掲示物の色がくすみ腐りかけていることがあります。 白くまぶしかった画用紙は、学年末にはくたびれてしおれています。 仏教には「縁」という言葉があります。 私たちは縁のなかで生きています。 「縁」とは、条件、ある…

教育随想 1112回 新学期準備 教材研究で子供と仲良しになる

各教科の教科書を一読する先生は少なくなりました。 授業が大切だと思われるなら、子供たちとの媒体としての教材に目を通す必要があります。 今は、指導書に加えてネット情報に支えられながら授業準備をします。 その時においては、指導方法ばかりに目がいっています。 教材の意義、本質について問い正すことはありません。 教科書を読む、おおざっぱでもいいです。 一年間、子供たちがどのような教材に出会うのか、指導者…

教育随想 1111回 新学期 前担任から子どもの情報 懐疑的に

新しい学級の担任が決まります。 専科の先生は自分の受け持つ学年、学級がわかります。 その時に必ず、前担任、担当者との引き継ぎがあります。 事務的なこと、行事に関すること。 そのなかに子どもたちの情報のやりとりがあります。 私は、子どもについての情報に耳を傾けます。 しかし、そのことは記憶の端にとどめるだけにします。 できれば聞かないほうがよいこともあります。 「この子は素直で問題のない子です」 …

教育随想1110回 新学期 言葉・指導よりも先生から吹く風

レストランに行くことがありますね。 入店した瞬間、すでにレストランの風が吹いています。 張りつめた風、わくわくする風、なんとなくけだるい風・・・・。 すっきりとさわやかな風が吹いているレストラン。この風はどこから吹いてくるのだろうかと考えます。 見えるものは、ごみ一つ落ちていていない床。 清潔でていねいに整理されたテーブル。店員の落ち着いて歩く姿。 聞こえるものは、入店と同時に耳に届く「いらっし…

教育随想 1109回 世間に批判されない、目のつけられない学校運営

護者クレームがさらに多くなっているようです。 自分の子どもの雰囲気にあっていないから担任を代えてくれ。 厳しすぎるから自分の子どもが不登校になろうとしている。 そのために、赴任して2年間で今年転任が決まった先生がいるそうです。 マスコミも学校のトラブルに対しては、批判的に報道します。 小さな事象を教育の危機であるかのように膨らませて報道します。 それは、学校が反論しないからです。 「申し訳ありま…

教育随想 1108回  卒業文集は 時間の無駄?

学校行事、教育活動において、無駄、無意味だから止めよう。 運動会、入場の駆け足は無駄だから、直接演技の場に集合させる。 駆け足で入場する意義は考えない。 とにかく時間のむだだという。 今までの学校行事のあり方を検討するのは大切です。 しかし、合理的判断として決定しているところがあります。 無駄である」としいう言葉が職員会議で聞かれるそうです。 もちろん、ある学校の話であって、すべてではありません…

教育随想 1107回 出力と入力 授業者

子どもたちを指導していると、指導に疲れてしまうことがある。 これだけ一生懸命説明しているのに。 あれだけ指示をだしておいたのに。 指導者の血圧が上がっても、子どもは平然としている。 いらいら、悔しい、どうしてどうしてと自問自答するばかり。 出力はあっても入力がない状態。 教育効果が上がれば、子どもが変容すれば、それなりの喜びが生まれる。 出力しても入力があれば疲れにくい。 高校野球で、激しい練習…

教育随想 1106回 教育を含めて 情報の洪水

最近、特に、ニュースや情報番組、バラエティ番組を視聴するのを好まない。 「異常な暑さです。不要不急の外出を控えてください。」 それにもかかわらず高校野球は実施されている。 コロナの時も必要以上に日常生活を自粛するように指示している。 自粛するように伝えながら、感染者は何人トム必要以上に報道する。 どういう状況での感染で、どのような人が罹患しているのか伝えられない。 あおり記事ばかりである。 あお…

教育随想1105回 先生が 目立たない子をつくる

教室で目立つ子供たち。 発言力があり、授業者が困っていると親衛隊のごとく発言する子。 教えてもすぐに理解して自分のものにできる優秀な子ども。 運動能力の高い子は誰からも注目されるスター的存在。 指導者も彼らを使って模範演技をさせることもある便利な子。 すぐに先生になついて人見知りしない子。 新学期、初日から先生のもとに接近してくる子。 明るくて元気な子。 よく目立つ子どもたちの例です。 宿題をい…

教育随想 1104回 子どものご機嫌とりが 学校の目的ですか

元来、学校の存在意義は、社会で必要とされていることを子どもたちに教え込むために開設されたものです。 学校生活のほとんどは、大人が編み出したことを半ば強制的な方法で教え込みます。 それは、決して子どもにとって「おもしろい」「楽しい」とばかりは言えない場です。 かつては、学校は、教科指導を通して子どもが大人社会に進出するための「人間修業の場」と受け止めていました。 そこに、職を求める教師には特別な尊…