教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1093回 管理職批判・不満はわかるけど

たぬきの糸車は、さらに続きますが、少し休憩します。 先日、現場の先生とお話していて気になったことがあります。 いわゆる「管理職批判・不満」です。 どこの学校でもあります。 その内容をうかがっていると納得する面もあります。 職員の意見を尊重しない。 教育委員会を向いていて、職員に目が行き届いていない。 問題が生じても、外部にたいしての対策ばかりである。 管理職のしたいことは、半ば強制的に押し付けて…

教育随想1092回 1年国語「たぬきの糸車」指導 第7回

ねらい 1段落だけを扱う  ○月のきれいなばん、糸を紡ぐ音が聞こえてくる山奥の一軒家の周りの様子を想像する。  ○いたずらするたぬきの様子ときこり夫婦の思いを想像する。  ○一人読みの仕方を理解する。 指導展開 指導1 一軒家のある山奥の様子を読みとろう。  〇1段落だけを音読する。   全体で読む➡一人で読む(三回読む)➡本を見ないで読む   ※言葉から子どもを離すことが大切である。    読…

教育随想1091回 1年国語「たぬきの糸車」指導 第6回

○題名や挿絵からお話の内容を想像することができる。 子どもは、この作品で最初に目を通すのは挿絵である。 映像から作品に入るであろう。 指導も挿絵から入る。 指導1 本文を読んでから挿絵に入るのではなく、黒板に貼られた6枚の  挿絵から物語のあらすじを想像する。    一枚ずつ子どもたちのつぶやきを聞く。    そのつぶやきの中から、子どもたちがどこに関心をもっているか    を探る。 「へえ、そ…

教育随想1090回 1年国語「たぬきの糸車」指導 第5回

教材研究はどこまで大人の研究です。 教師である前の一人の大人としての作品解釈です。 しかし、この作品解釈を子どもに向けての教材解釈に移します。 作品と子どもとを関わらせ方を研究します。 「展開の角度」は、、子どもに対する作品の見せ方であり指導の角度です。 子どもはこの作品のどこに興味関心をもつか。 この作品のどこから入ると子どもにとって読みやすいか。 子どもの作品への入口を探すものです。 ○子ど…

教育随想1089回 1年国語「たぬきの糸車」指導 第4回

7段落  わなにかかったたぬき。 どうして、何度もたずねてきたたぬきが罠にかかったのだろうか。 罠はいたずらをする場所に仕掛けるということは、このたぬきは、いつもと違うルートで尋ねてきたことになる。  罠にかかったたぬきは、おかみさんに助けられる。 「こわごわいってみると」の「こわごわ」という言葉の意味するところと気持を想像してみるとおもしろい。 このとき、おかみさんの気持の中に「もしかして、た…

教育随想1088回 1年国語教材「たぬきの糸車」指導研究 第3回

段落ごとに見てみよう。 4段落  しょうじの穴から二つの目玉、あかるい障子には、たぬきのかげが映っている。 幻想的であったり、牧歌的であったり、あるいは、少し怪奇的な感じがしないわけではない。 「二つの目玉」「月の明るいしょうじ」がキーワードである。 障子に映るたぬきの体のシルエットと穴から出ている目玉の動きが奇妙なコントラストを出している。 糸車の音に合わせているかのような目玉の動きの面白さ。…

教育随想1087回 1年国語教材「たぬきの糸車」指導研究 第2回

段落を追って教材を考えます。 1段落 「きこり」という職業は、すでに死語になっている。 きこりとは、「山林の木を伐ること。また、それを職業と する人」  きこりが何のために、山奥に住んでいるのか、そこで、どんなことをしているのかということを理解しなければならない。 「山おくの一軒家」ということから、夫婦以外に人間はすんでないということがわかる。 野生動物の世界のど真ん中に生きている。  そこには…

教育随想1086回 1年国語教材「たぬきの糸車」指導研究 第1回

一年生の物語文の指導は、身をもって作品のなかに没頭することである。夢中になる子どもを育てたい。 以下私の実践例です。 1.単元のねらい ○語のまとまりや言葉の響きなどについて考えながら音読することができる。  ➡子どもは言葉を声にだすことで自分の気持を表す。 しかし、一年生の子のなかには、自分の気持を言葉に 載せられない子供がいる。 恥ずかしさもあるが、音読による表現の仕方がわからな い子がいる…

教育随想1085回 先生が職務怠慢での崩壊 人一倍熱心な場合の崩壊

先生が職務怠慢での崩壊と人一倍熱心な場合の崩壊とではどちらが多いでしょうか。 後者に多いのです。 勤務怠慢の先生の場合 子どもたちは学校に楽しみにくるのです。 厳しい説教も叱責もありません。 先生と一緒にわいわいとさわいでおればいいのです。 勉強は塾ですればいいです。 人一倍熱心な先生の場合 几帳面に子どもたちをしごきます。(今はしごくまでいかない) 少しの失敗や間違いを許しません。 宿題を忘れ…

教育随想 1084回 周りから教えてあげようと思われる人間に

卒業した子どもが成人したときに、小さいときの印象とは別人に育っていることがあります。 高校、大学、社会人のなかで、小学校の時とは大きく違って見えることがあります。 この事実だけをみても、子どもは学校だけで育つものではないということです。 それに、一介の教師の世話で成人するものではありません。 いろいろな機会に恵まれて、いろいろな人の手助けを受けて開花します。 子どもによって能力が開花する時期は違…