教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1083回 育てるとは、種をまいて「待って見守る」

先生の仕事は基本的には一年契約です。 だから、4月当初にガツガツして指導しなくてもよいのです。 来年月までに学年に相応した子に育てたら良いのです。 引きこもりの子には 社会性を。 勉強嫌いな子には、学習意欲を。 暗い子どもは明るくなるように。 嫌われる子には人気がでるように。 消極的な子を積極的に。 挨拶のできない子をできるように。 先生は、一人ひとりに対して願いを持ちます。 この願いは、先生が…

教育随想 1082回 待つことを育てると言います

子どもたちの成長を願うあまり、ともすると先生は性急に成果を上げようとします。 子どもの機械化につながります。 スイッチをおしたら必ず明かりがつく照明器具。 子どもにこういう指導したら、必ずこうなるという思い込み。 そこから「〇〇式教育」なるものが生まれてきます。 先生は「教えること」を最重要に考えています。 教えたら、教えさえしたら、子どもは理解するだろうという傲慢さ。 「前に教えたでしょ」「何…

教育随想 1081回 つぶやきは、自発的な学びの芽 独り学習

だれでも子どもたちの生き生きした活発な行動を望みます。 それにもかかわらず、事前に計画した指導者の思いを押し付けます。 「子どもたちのために」という理由をつけて実践します。 その前に 必要な考えがあります。 それは「子どもたちのために」てはなく「子どもたちにとって」という立場です。 指導者がこれでよしと思えることが、果たして、子どもたちにとってよいものかどうか、相手の立場で考えます。 学校の日常…

教育随想 1080回 過程とばしで、子どもの学ぶエネルギーを増幅

かりやすい授業・親切な授業 どの子にも一定の理解を求める授業です。 落ちこぼれのないように、スモールステップ式の学習を設定します。 あるいは、学習内容の難易度を下げて学習させることもあります。 子どもたちがつまずかないように、悩まないように簡単にします。 もちろん結構なことです。 大切なことです。 子どもたちの学習意欲を失わないようにするためです。 しかし、この一手でいくと、授業に覇気がなくなっ…

教育随想 1079回  親を 子どもの成長に 引き入れる

子どももいろいろ、親もいろいろ。 そのいろいろな子どもや親に対応していく職業であることを自覚。 親と言い合っても意味がありません。 親と物議を醸し出さないようにします。 親を説き伏せても何の意味がありません。 その結果は、子どもに跳ね返ってくるからです。 親と先生の間で、困惑するのは子どもたちです。 子どもにとっては、親も先生も自分の将来にとってどちらも大切な人。 その人たちが言い争ったら、子ど…

教育随想 1078回  学校は組織 商店街のアーケード

職員ほど上司、同僚の悪口をたえず口にする世界はないかもしれません。(ストレス発散も必要) 職員室の隅、校内の教室、学習園等でひそひそ話が聞こえてきます。 かつて、神戸市で大きないじめがあったが驚かない。 これは厳しい見方ですが、先生という人種は「井戸の中の蛙」的なところがあります(一部だけど) 先生が研修で一般企業に一定期間勤めていた例があります。 あまりいい評判は聞こえてこなかったです。 とい…

教育随想 1077回 ゆとりをもって指導を半分にしてみる

子どもをゆとりをもって、じっと見つめてみる。 子どもをゆとりをもって見守ることは難しいです。 目の前の子どもの事実に焦りうろたえることがあります。 そして、感情的にとらえてしまいがちです。 いつも冷静にはなれない。 しかし、自分の言動を振り返ることができたらいいと思っています。 自分さえも揺れ動く存在なのに、さらに、揺れる子どもたちを見守ることは難しいですね。 三学期になると、先生は、責任感と義…

教育随想 1076回 子供との楽しみ 目玉授業 顔の演出

先生が子供と接することに楽しみを感ずる。 先生が目覚めと同時に、今日一日の内容を頭に浮かべてみる。 時間割の内容を子供たちの立場になって追っていく。 今日の目玉授業は何か。 子供たちがおもしろいと感じで乗り出してくる授業は何時間目か。 逆に、今日一日の学級生活の目玉は何にするか。 昨日、あの子の表情が暗かったので 今日は。 昨日、算数がわからなくなって落ち込んでいたあの子 今日は。 昨日、授業中…

教育随想 1075回  集団に寄与できる自分

前回は 「集団によって支えられている自分を知る」ことを中心にお話ししました。 今回は 「集団に寄与できる自分に誇りを抱く。」ことについてです。 これは、子供たちが自分の所属している集団に誇りを持っているかどうかです。 ただし、自分の一人の力がチームが勝つことに役立っていることを自覚できるときです。 スポーツの世界では、自分の所属するチームに誇りを持っている場面を目にします。 子供たちが「ぼくの学…

教育随想 1074回 集団は個人を育てる

個人か集団か、どちらに重点を置くべきか。 個人の力は集団を変える。 集団の力は個人を変える。 集団学習、小集団学習は昔から言われ続けてきました。。 これは、決して集団に重きをおいているわけではありません。 目的は個人の能力、人格の変容です。 そのために集団によって個人が変容されるのです。 私たち大人の社会を考えるとわかります。 個人の自由や安心は、社会という集団によって成り立っています。 集団に…