教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1286回 遠くから挨拶ができる先生と子ども

いつも不思議に思ってきたことがあります。 小学校にに入学して6年生になり、やがて卒業する子どもたちを見ると、高学年になるほど低下してくるものがあります。 その一つに「挨拶」があります。 一年生の子どもたちは、とても元気に挨拶をします。 ところが、学年が上がるにつれて「挨拶」に元気がなくなり、無視する子どもたちも出てきます。 挨拶は対人関係をより親密にするものです。 対人スキルがどうのこうのと言う…

教育随想 1285回 疑似体験ではなく 間の中で育てる

コンピュータも情報を入れなければ機能しません。 今の子どもにとっての情報は体験です。 しかし、映像を通しての「疑似体験」「間接体験」は知識の出入りにすぎません。 何を どう考えて いかに解決するか これが子育ての原点ではないでしょうか。 コンピュータを活用して、子どもたちに情報を得させても、そこには直接、肌に訴える感覚がありません。 自分から直接「物事に触れる」=「能動体験」「直接体験」によって…

教育随想 1284回 教育の不易流行

子どもを育てることは、親にとっても先生にとっても難しいことです。 子育て論も街がなかにあふれています。 しかし、一般化できる子育て論などあるのかと疑問に思います。 一人ひとりの子の個性と能力が違い、養育環境も違うななかで、子育てはすでに各論です。 それぞれの子に応じて子育て論があるように思います。 先生の子どもに対する指導も同様です。 昔の子育てに関する言葉を紹介します。 「養うて教えざるは親の…

教育随想 1283回  待つ、見守って待つ、ひたすら待つ

私は、庭で花や野菜を栽培しています。 これは、教員をしていた名残りであり恩恵でもあります。 教員生活の後半は、赴任校の栽培を任せていただける機会が多くありました。 そのおかげで、退職後も栽培活動を続けてきました。 現在も、私は、苗を購入するよりも、できるだけ種をまいて育てています。 種は命の始まりです。 種をまいて発芽させるには、気温と水分の環境を整えることが最低の条件です。 特に、今ごろの気温…

教育随想1282回 子どもたちに教えたい詩 「両手の心」

かつて、自然学校が行われた時のことです。 いつも気になっていたことがありました。 自然学校で係の人が、子どもたちにごはんを盛った茶碗を渡している時、多くの子どもがその茶碗を片手でもらっていることでした。 修学旅行の時も気になりました。 両手でもらうことの意味、大切さを学ばせたいと考えました。 その時に出会った坂村真民さんの詩でした。 明治42年、熊本県に生まれる。 8才の時に父親が亡くなり、どん…

教育随想1281回  ルソーの著書「エミール」からの抜粋

1762年に執筆、出版されたルソーの「エミール」からの抜粋です。   ・・・・・以下抜粋・・・・・ 子どもを不幸にする最も確実な方法は何か。 それは欲しがるものを何でも与えてやることだ。 子どもの欲望は日増しに大きく膨れ上がり、いずれは親が拒絶しなければならないことになる。 拒絶になれていない子は、強い怒りを覚える。 自分がほしいと思えば、何でも手に入れていた側からみて拒絶は反逆行為に当たる。 …

教育随想1280回 不登校児の保護者の立場で

子どもが不登校になったとき、一番心を痛めているのは保護者の方です。 中学から高校までの6年間不登校で引きこもっている子どもの保護者がおられました。 長男で、その弟が私のクラスにいました。 その関係で、弟のことよりも長男の息子さんのことが話題にあがりました。 懇談会の時は、半分は長男の様子についての相談でした。 母親は自信を失っていました。 関わると反抗的になるようです。 私がその話題に関わるよう…

教育随想 1279回 教育は口先ですか、それとも背中ですか?

姿勢を正して座りなさい。 机やロッカーは整頓するようにしなさい。 掃除をするときはまじめにしなさい。 服装については、もう少し自分で注意をするように。 わからないことは、自分で参考書や辞書を活用しなさい。 文字はていねいに書きなさい。 これらのことは口で指導して子どもに身につくのでしょうか。 子どもは親や先生の言葉ではなく、後ろ姿、背中を見ています。 先生が教卓で子どものノートや参考書・辞書を見…

教育随想 1278回 国語「たずねびと」 おばあさんとの出会い

悼平和祈念館のモニター画面。 原爆でなくなった人の顔。 わたしくらいの子  わたしより小さな子  おさない子どもたち 赤ちゃんまで  生真面目な顔  すました顔  はずかしそうな目  かしこまって写っている  口元だけ今にも笑いだしそうな子 この場面で読み取りのキーワードは 「どきれなく現れ続ける顔をずうっと見つめていたら、気が遠くなりそうだった」 「でも、どうしても目がはなせなかった」 どうし…

教育随想1277回 国語「たずねびと」うちのめされる綾

平和祈念館の見学 まず、原爆祈念館を出た時の気持に注目する。 祈念館に入り出るまでの綾の気持の変化を追う。 物語文はキーワードを拾って、あとは、子どもたちが何回も読み直して考えられるようにする。 どの文、言葉を核にしたら子どもたちの読みが深まっていくか。 先生はそのきっかけを提示するだけである。 自力読みで子どもを鍛える。 そのポイントになる文は 「半分も見て回らないうちに、わたしは頭がくらくら…