教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 849回  先生は悩むことを売りにしてはならない

先生とお話していると、
時々、私は先生として悩みが多く悲劇の主人公であると感じさせる方がおられる。
私の学級は他の学級に比べて問題のある子が多い。
保護者もクレームをかけてくる親も多い。
だから、私は、毎日悩んでいる。
私は、「あなたはそれに対してどのような行動をおこしているのですか」と尋ねると
「それがわからなくて日々なやんでいます」と言われる。
きっと、その先生は、一年中悩み続けられるのだろう。
悩むことそのものが先生としての勲章のように思われているようにも思われる。
櫻井よう子さんの書籍のなかに次のような言葉がある。


悩みには自己陶酔的な要素がある。自己に悩む状態を許してしまうと、いつまでもその悩みを楽しんでしまったり、その中で甘えてしまったりすることが人間にはあると思います。」


悩んでいる自分がいとおしいのである。
まさに、悲劇の主人公のような顔をしている。
時には、自分の悩みを増幅させたり、人に訴えたりして私は私をかわいがっている。
悩みには、麻薬に似た部分があるように思う。
悩むことで生きている確認をするところがある。


先生の仕事は、常に実践的である。
悩みはすぐに疑問、課題に変わる。
課題遂行のための試みがなされる。
うまくいかない時は、悩むより次の課題設定をする。
行動、試みる
ことが先生の醍醐味である。

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