教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 848回 係活動はなくても困らない

次のような相談がある。
学級活動で行なう学級内の仕事にはどんなものがあるでしょうか。
それを分担する方法や子供が意欲的に活動する援助の工夫を教えてく
ださい。


学級活動で行なう学級内の仕事にはどんなものがあるか
当番活動と係活動に分けることができる。
この二つの仕事は、明確に区別しておく必要がある。


当番活動は、給食当番・日直当番・清掃当番があるが、これらの仕事を子どもの意思に関わりなく、生活をしていくうえで、必要最低限の仕事である。(限定的)
係活動は、学級生活の中から生まれてくる問題を解決するために、子どもが自発的、自治的に仕事を分担処理していく活動である。(発展的、流動的)


係活動の内容については、一律に決めることはできない。
学級生活の中から出てくる願いや問題を解決していこうとするところから、それぞれの係の仕事が生まれる。
したがって、学級の子どもの違いによって係の仕事も変わってくる。


低学年の場合に考えられる係としては、次のようなものがある。
  本係 花係 生き物係 黒板係 保健係  など
中には、教室の照明を担当する「電気係」を作られることがあるが、これは係ではない。(当番活動ら入れる)
私は、上の係を決めることはほとんどなかった。
誰もが気づいて行動に移すことが大切だと考える内容は係の活動にはいれない。
教室の照明は気づいた者がすればよい。(本来は係活動ではない)
先生とともに仕事を見つけていく係がつくられる。
その時に学級管理をするうえでの先生の補助としての活動にならないこと。


高学年の場合に考えられる係としては、次のようなものがある。
美化係 保健係 集会係 図書係 新聞係 飼育係 栽培係 など
 高学年の係活動は、委員会と対応していると活動しやすい。
意図的に委員会の活動と対応させることもある。
さらに、学級の生活に活気が生まれる二学期になると、係そのものもユニ-クなものがつくられる。
お楽しみ係・体力づくり係・教室改造係などのようなものが、学級の生活の中から要求としておこってくるのである。


係活動の仕事を分担していく上での留意点
係活動が、学期の始めに形式的に組織されていく傾向がある。
形式的に始められたものは、継続的、意欲的な活動にはいたらない。
組織される前の十分な話し合いがかなり重要になってくるのである。


低学年の場合は、先生の方で係を組織していくことが多い。
その場合でも、事後において、その仕事が仲間の役に立っているかどうか、学級が前に比べて変わったかどうかを話し合わせる必要がある。
そのことを通して、係活動と子供一人一人をつなげていく。


高学年の場合は、「係活動はいらない」という事から、話し合わせてみるのもよい。
形式的に分担しようとしている子どもたちにブレーキをかける。
係活動の意義について見直す機会をつくり再認識させる。
係をつくる時に大切なことがある。
一つ目は、個人の願い実現のための活動である。
二つ目は、学級で楽しく過ごせる場をつくるための活動である。
 そこで、次のような方法を考えてみる。
① 係活動を通してどのような学級にしたいのか。
② 係活動で自分としては何を期待するのか。(望んでいるのか)
③ 自分の希望する係とその理由を書かせて、その一覧表をつくる。
④ 一覧表を全児童に配布して
  全体で、各係のねらいについて話合う。
⑤ 係分担をしてから、仲間の願いに添っているかどうかを確かめる。
 係活動においても、子どもたちの学級のくらしを改善する意識を掘り起こしておくことが大切である。

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