教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 402回  話し合いの育て方(8) 自分たちの言葉でつないでいこう

学習における話し合いにおいて、子どもたちだけで何分間つないでいきますか。
学習における話し合いにおいて、子どもたちはどのくらい学習を深めますか。


話し合いは集団思考です。
話し合いは広げ合いです。
話し合いは深め合いです。
最終目標は、学習目標に向かうことであって、話し合うことではありません。
挙手発言をつなげて学習目標に向かっていくこともできます。
しかし、そこには、子どもたちの自由な思考の発散が少ないです。
どうしても先生の意図(子どもたちの先生への忖度)に従った深まりです。
子どもたちが自分たちで話し合いを覚えると、どのような場面でも自然に子どもたちの主体性が発揮されるようになります。


学習は当然のごとく、子どもたちのものです。
その子どもたちが主体的に自由につながり合うことで、30人の集団思考が可能になります。
先生は、見守り、サポートするだけでいいです。
子どもたちにとっても、自分たちの学習という意識が強くなっていきます。


今回は、つなげていくための発表指導です。


わからないことをもう一度聞きたい場合
友だちの意見に対して、もう一度、聞きたいときがあります。
「今の話、もう一度言ってもらえますか。」
「〇〇くんの意見、もう一度言ってもらえますか。」
「ごめんなさい、少しわかりにくかったので、もう一度、言ってもらえませんか。」
ていねいに返すことです。
わかりにくいことを「今の話は何を言っているかわかりません。」
と言えば、話し手を責めるような空気が生まれるので修正させます。


おおむね話し手の意見がわかっても、はっきりとしないことがあります。
話し手の考えを再度確かめる場合
「今の〇〇君の意見はこういうことですね。」
「〇〇くんが言いたいことは、こういうことですか。」
話し手の意見を自分なりに解釈、咀嚼して、曖昧な部分を確かめます。
とても重要な発言です。
お互いがお互いの意見を確かめ合いながら進行させていきます。
時には、「先生の伝えたいことはこういうことですか。」と先生に向かいます。
話し合いをしている時、同じような意見ばかりで空回りすることがあります。
そのような時には
他の友だちの意見を聞いて広げます。
「他に違った考えを持っている人はいませんか。」
時には、子どもが他の友だちを指名して
「〇〇くんはどんな考えを持っていますか。」
「今、話し合われている考えと少しちがう人はいませんか。」
この場面で「少しちがう」とすることで、他の人が自分の考えを発表しやすくなります。反対の考えであっても「少しちがう」とすることで、場面の空気が違います。


話し合いを進めたい場合


話し合いでだいたいの考えがでて、結論づけられてきたときに話題を進めます。
「そのことはわかったから、次の問題に進みませんか。」
「次は、このことについて考えを出し合いませんか。」
このように、話題を転換したり、話題をさらに深めたりするような視点を提案します。


さて、そうはいってなかなか子どもたちの話し合いは活発化しません。
しかし、子どもたちの話し合いを聞いていると、子どもたちの中から自然に話し合いをつないでいく言葉がでるものです。


「ちょっと待って、もう一回、話してくれない」」
「ああ、わからなくなってきたから少しゆっくりと話してよ」
「あっ、そういうことなんだ」「
「えっ、待てよ、他にもあるような気がする。」
「みんなの意見を聞いて分からなくなってきた」
自然に出てくる子どもたちの言葉を拾い上げて、話し合いの中に導入します。
地域の言葉であったり、その学級の言い方であったりする言葉が教室の空気を柔らかく和やかにします。


堅苦しい言葉から柔らかい言葉を使えるようにします。
子どもたちの日常言葉を導入します。
対話するように話し合います。
自分たちの言葉で自然に学習を動かせるようにします。

×

非ログインユーザーとして返信する