教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1119回 子供を一旦 野性化させる 解放させる

かよし学級の先生からうかがったことです。
新年度は、なかよしの子供たちは、交流学級にいることが多いそうです。
担任する4人の子供たちの様子を見るために、それぞれの学級を巡回しているということです。
その先生が、「それぞれの学級の雰囲気が大変違うものですね。この差はどこからきているのでしょうか」と質問されました。


新学期の学級。
興奮している子供たちがざわついてる集団。
先生の話を適当に聞き流している集団。
新しい先生に関心をもって聞き入っている集団。
なかには、とても静かで先生の話を聞いている集団。


このなかで一番問題がある集団は、静かな集団です。
先生の威圧なのか、子供が先生に迎合して様子を見ているのか。


子供たちは、新しい担任の先生のもとで、野性化します。
前の学級、担任から解放されるのです。
今までがまんしていた自分を取り戻します期間です。。


この時に、先生が「きまりだ」「静かに」という声を強圧的に発してはいけないのです。
子供たちの本当の実態がわからなくなります。


1.2週間様子を見ます。
意図的に野性化させるのです。
決して放任ではないです。
必要な指示はします。
ただ、細かい指示をだしすぎて子供たちの反感をかってはいけません。


かつて、ある先生が言われたことを思い出します。
その先生は、かなり威圧的に子供たちをしつけます。
2週間ほとで学級が静かになり、先生の指示が的確に入るようになりました。
その先生は「これで子供たちは私の手の中に入りましたよ」と自慢しておられました。
この学級は6月ぐらいから荒れだしました。


早く集団を先生によって整えてしまうとやがてその反動がきます。
そうではなくて、子供たちと対話しながら、子供との気持をつなぎながら集団づくりを行います。
一か月ぐらいはざわつくことがありますが、それは、子供たちのエネルギーの発散なのです。
それぞれの子供たちが自分勝手に発散させている状態です。


授業がおもしろい、自分も参加できるという有能感を持ち始めると、いつのまにか子供たちの様子に落ち着きが見られるようになります。
子供たち一人ひとりのエネルギーが目標に向かって収束します。
この間、2か月ほどの時間が必要です。
ゆっくりじっくりと・・・
子供と学習を通して仲良くなることを先生の目標にします。


ただし、野性化しすぎないこと。

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