教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 501回 3年国語「きつつきの商売」 音だけで子どもと向き合う授業

路傍の石

子どもたちは、目でみる映像の世界に慣れきっています。
ビジュアルの世界です。
映像は、見えるものがすべてです。
映像は子どもたちの想像力を制限します。


今、見えないものに心を向けて想像を膨らませる力が弱まっています。
音を聞いて、見えない世界を見えるようにします。
耳で聞くのではなく「耳で見える」世界を想像します。


「きつつきの商売」は、音で構成されています。
音を通して、子どもたちが自分なりの世界を広げることをねらいとします。


「ぶなの音を出すきつつきとそれを聞く野ウサギの様子を想像する。」
「コーン」と音を聞いている野うさぎときつつきの気持ちを想像しよう。


4月最初の物語文です。
どの子どもたちも学習の広場に出られるようにします。
この場面もいろいろな指導があると思います。


しかし、この教材で
子どもたち全員が能力に関係なく参加できること。
音という見えないものから見えるものへと自分の世界を広げられること。
この二つを指導目標にします。


教材は、指導者が目の前の子どもたちをどのように育てたいかを考える媒体です。
何を教えるかも大切ですが、4月の教材、学習は、何を育てるかを最優先します。
一つは、学習に対する有能感、そこから生まれる学習意欲です。


二つ目は、今の子どもたちに欠けている力は何かを考えて、その力を育てます。
この場合は、「耳で見る」ことです。
聞いている人物の気持ちを見る、想像することです。


授業の最初に「コーン」というきつつきが作り出したぶなの音を中心に据えます。
「コーン」だけで授業をするのです。


指導例
「コーン」の読み方を考えよう。
☛全員起立 一人ずつ声に出す。着席
☛二人で読み方を考えなさい。
「前と後ろの文章を読んで考えなさい」


きつつきは・・・くちばしで力いっぱいたたきました。
ぶなの木の音が、ぶなの森にこだましました。
「力いっぱい」「こだましました」という言葉から、「コーン」の音読が変わります。


「コーン」と音を聞いている野うさぎときつつきの気持ちを想像しよう。
①ノートにきつつきと野うざきの様子がわかる文を書いて気持ちを想像する。


きつつきを見上げたまま、だまって聞いていました。
きつつきも、うっとり聞いていました。
「四分音符よりも、うんと長い時間がすぎてゆきました。」を付け加えると、さらに、どのようなことがわかるだろうか


簡単に流れを書きました。
まだまだ指導したいことはあります。
しかし、それを捨てることです。
あれもこれもは、子どもたちを混乱させます。


全員が参加できる楽しさを味わえるようにします。

実践者としての道を求めて

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