教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想824回 3年 道徳「やめられない」学習指導(光村図書)

1.指導目標
ゲームに依存し、やめられなくなっているまりさの姿を通して、節度ある生活をするために大切なことについて考えさせ、度を超すことなく生活していこうとする判断力を育てる。
 ※「度をこすことなく」は、度を超えてみて初めて、その問題点がわかるものである。
さらに、わかっいていもやめられないのが人間の在り様である。


2.指導にあたって
 〇節度ある生活ができなくなる「ゲーム」を通して、自分の生活が節度あるものになっているかどうかを見なおすことができるようにする。
 〇ゲームだけでなく、「やめられなくて困っていること」について、子どもたちが出すようであれば、それも取り上げてみたらよい。
 しかし、内容について吟味しておかないと、子どもの家のプライバシ―侵害になる可能性もあることに留意しておく。
 ★この道徳の最初に生活実態調査を実施する。…5分間程度
➡この調査は、だれにも公表しないことを明記しておく。
 ①ゲームを持っていることの有無
 ②どのくらいの時間をしているか。
 ③ゲームで困っていることはないか。
④生活のなかで「やめられない」で困っていることはないか。
 あるとしたらその様子と理由を書かせる。
  以上のアンケート用紙を作成して、授業の最初に書かせる。


指導展開
導入
みんなの生活をみなおす勉強です。
「やめられない」ことは、だれにもあるものですね。
先生だってやめられないことがあります。
※道徳の場合、先生も子どもと同じ目線までおりていくことが大切である。
今回は、ゲームがやめられないまりささんの様子を読んで考えます。
➡その前にアンケートを書きましょう。
 正直に書いてください。
 結果は、だれにも公表することはありません。
☛アンケート実施(記名)5分間程度➡裏返しをする(最後に使う)


とらえる
問 自分がしたいことをしたいだけするっていいのでしょうか。
まりささんは困っています。
ゲームをやめることができなくて困っています。
それでは、読んで見ましょう。
① 全文を読む。全員音読
質問1
まりささんの様子を読んで、「わかるなあ」とか「私と同じだ」と思うところはどこですか。
※主人公を批判的に扱わない。あくまで、自分との共通性を見出す。
質問2
まりささんの行動、「ここはよくない」と思うところはどこですか。
  ※まりささんと自分を比べてみる。共感、共通する点


ふかめる
 発問1
まりさは、なかなかゲームをやめることができませんでした。
そのことで問題になることを見つけなさい。8こ見つける。(文章事実から)
①ペアで考える。
②全体で考える。
・ブランコをひとりじめ
・他の友だちのさそいをことわる。
・歩きながらのゲーム
・自転車とぶつかりそうになる。
・ごはんの時間ぎりぎりまでゲーム
・学校の準備をしないでゲーム
・睡眠不足
・朝食がたべられない
・次の日元気なし


発問2
まりさが「やめられない」を断ち切るためには、どんなことを大切にすればよいかを考える。
「断ち切れる」ものだろうか。
少しぐらいならいいのではないか。
ぼく・わたしの生活をふりかえる
感想を書く。


この学習で大切なことは、ゲームをやめられないことが悪いのではない。
ゲームを禁止することでもない。
あくまで、度がすぎると弊害がおきることである。
そのことを子どもたちに自覚させることが勉強の核である。
さらに、すべての物事は、度をこすことで、「いい加減」な状態がわかるものである。
食べ過ぎる あそび過ぎる テレビを見過ぎる・・・大人は酒を飲み過ぎる
ちょうどいい湯加減である。
道徳の学習は、常に、子どもたちが自分の問題として引き寄せて考えられる。
さらに、引き寄せてたえず揺れ動くことが不可欠である。
善と悪の両極に偏らない学びを指導する。

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