教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1319回 国語「大造じいさんとガン」その6(最終)

路傍の石

10.傷ついた残雪と大造じいさんが正面を向き合う

 

私は、この場面が最大の山場であると考える。

大造じいさんがかけつけたとき、「なおも地上ではげしく戦っていました」

「なおも」ということから残雪の戦いぶりが想像できる。

そして、ハヤブサが「よろめきながら飛び去って」から、かなりのダメージを受けたことがわかる。

 

しかし、残雪の被害も大きかった。

「むねのあたりをくれないにそめて」「ぐったりとしていました」

しかし、大造じいさんという第二の敵に対して

「残りの力をふりしぼって」「長い首を持ち上げ」

「じいさんを正面からにらみつけました」

 

問 大造じいさんは、何を見て頭領らしい、堂々たる態度だと思ったのでしょうか。

問 じいさんは、どんなことに「強く心を打たれた」のでしょうか。

問 「ただの鳥に対しているような気がしませんでした」

  この時の鳥と、今、向かい合っている鳥とはどのように違うのでしょうか。

以上、3つの問をあげてみたが、授業においては、最後の問を中心にして自力で読ませる。

何度も言いますが、発問は、場面において一つです。

その発問を考えるには、場面全体を読まないとわかりません。

そのような中心になる発問を設定します。

 

全力を尽くして戦いあう敵として認め合う。

単なる仮の対象ではなく、知恵や誇りを持つ対等な相手、それ以上の

畏敬すべき存在として意識した心情。

 

大造じいさんは、卑怯な手段を使ってまで倒すべきではない。

命をかけて正面から向き合うべき相手である。

残雪の勇気ある行動が、残雪に対するじいさんの気持ちを敬意あるものとしてかえた。

 

11.残雪をおりから放つとき

 

この場面の問は

「いつまでも、いつまでも、見守っていました」

この文から大造じいさんの残雪に対する思いを考えることが中心になります。

私は、授業においては、この文章を提起して自力で読み直して考えさせます。

それは、子どもたちが自分で今まで読み進んできた結果が表れるところです。(評価するところ)

 

この最後の場面は山場を過ぎています。

今まで読んできた子どもたちの読みを評価するところです。

 

問 じいさんはどのような思いで見送っていたのでしょうか。

どのようなことを考えながら見守っていたのでしょうか。

 

それでは、順を追って言葉に即して読み進めます。

 

「ある晴れた春の朝でした」情景描写

旅立ちの予感 迷いのないすっきりした心。

 

「じいさんはおりのふたをいっぱい開けてやりました。」

そろりとふたを開けたのではない。

さあ、旅たちなさい。仲間のもとへ帰りなさい。

じいさんの残雪への思いやり、励ましともとれる開け方である。

 

「残雪は、あの長い首をかたむけて、とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。」

残雪は、逃がされることはないと覚悟していたのでしょうか。

「広がったせかいにおどろいた」

残雪にとって、広がった世界が見えたときのおどろきが想像できる。

 

「バシッ」「快い羽音一番」

一番美しく力強い羽音を残して、振り返ることなく一直線に空に飛び

上がりました。

力強く堂々とした生き方を感じさせる残雪。

振り返ることなくためらうことなく飛び去る。

 

ここでも、残雪が飛び立つときの情景が描かれている。

「らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように

清らかに、はらはらと散りました。」

この情景は、読者にとって自由にイメージできる場面です。

 

「スモモの花」

三月下旬から四月にかけて咲く、ゆきのように真っ白で かれんな花。

 

「らんまんとさいた」

満開になり、鮮やかに咲き乱れている様子。

明るく華やかな光に満ち溢れている。

満開よりも、きらめくような美しさや生命力を強調している。

 

参考として「天真爛漫」(てんしんらんまん)

人柄、生命力があふれている様子。

 

「はらはらと」

小さな花が風にまいながら、少しずつ落ちていく様子。

 

参考として

花が舞うようにおちる時「ひらひらとちる」

くずれるように散るとき「ほろほろとちる」

まとまらずに、まばらに散るとき「ぱらぱらとちる」

こうして、言葉を広げて考えます。

 

 

「大造じいさんは、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。

「いつまでもいつまでも見守っていました」

大造じいさんの今までの思いが表れています。

 

:どんなことを思いながら、思い出しながら見守っていたのでしょうか。

                                                                                                       終わり

 

実践者としての道を求めて

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