教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1318回 国語「大造じいさんとガン」 その5

路傍の石

8.ハヤブサの登場

 

「ハヤブサだ」➡「あっ」➡「パーンと一けり」➡「ぱっと、白い羽毛があかつきの空に光って散りました」

➡「さっと、大きなかげが空を横切りました」➡「残雪です➡「残雪をねらいました」➡「が、なんと思ったか、再びじゅうをおろしてしまいました」

 この場面から物語の山場に向かって話が動き出します。

 

ハヤブサ・・・「一直線に落ちてきました」。ものすごい速さである。

ガン・・・「残雪に導かれて、実にすばやい動作で、ハヤブサの目をくらましながら飛び去っていきます」

この様子を大造じいさんは目の当たりにしている。

その時の気持ちが「じつに」という言葉に表れている。

 

「じつに」は事実であるさまを表す時に使う。

そして、じいさんの感嘆の気持ちが表れている。

すばやさに驚いているおじいさんの気持ちがわかる。

残雪が仲間を誘導している姿に驚いている。

 

「ぱっと、白い羽毛があかつきの空に光って散りました」

ハヤブサの恐ろしい攻撃でわかる。

白い羽毛(白)と「あかつきの空」(赤)の対比がガンが強い攻撃をうけた。

ハヤブサは時速300kmで下降してくるらしい。

目に見えぬ速さで攻撃されたことになる。

 

「さっと、大きなかげが空を横切りました」

残雪は、仲間を率いて避難したはず。にもかかわらず「空を横切りました」から、空の遠く向こうから戻ってきたことがわかる。

 

大造じいさんにとっては、残雪をしとめるチャンスである。

「が、なんと思ったか、再びじゅうをおろしてしまいました」

この「が、何と思ったか」という言葉は重要である。

じゅうを構えている大造じいさんの心のなかで、何かが変わったことを意味する。

「何を思ったのか」ここは、物語の山場の始まりである。

 

ハヤブサと残雪の戦いが山場という子どもがいるが、そうではない。

子どもたちに、「どこが山場なのか」を問題にすると楽しくなってくる。

「じゅうをおろしてしまいました」は、あれだけ「ひとあわふかせてやる」

と思い続けて臨んだ戦いを止めた。

 

この時に、大造じいさんが戻ってきた残雪を殺してしまったら、大造じいさんの気持ち、生き方はどうなっただろうか。

 

9.ハヤブサと残雪との戦い

 

ここからは、大造じいさんか残雪とハヤブサとの戦いを目撃している。

じいさんは、戻ってきた残雪に驚きを隠せなかった。

「残雪の目には、人間もハヤブサもありませんでした。ただ、救わねばならぬ仲間のすがたがあるだけでした」

これが銃を下した理由である。

残雪が自分の命を投げうって仲間を救おうとしている姿に衝撃をうけたのではないか。

 

その戦い方がすごい。

「いきなり、てきにぶつかっていきました」

躊躇することなく、ハヤブサに突進して、力いっぱい大きな羽でなく゜りつけた残雪。

「不意をうたれたハヤブサ」まさか、向かってくるとはおもわなかったのだろう。

残雪のむな元にとびこむ。

ぱっ

ばっ

行をわけて書かれている音。お互いの激しい音だろう。

この二つの「ぱっ」から子どもたちに残雪の立場、大造じいさんの立場になって、戦いの様子を想像させる。

物語文は、言葉が少ないところほど、豊かに想像することができる。

 

 

物語文の場合は、一行で短い文ほど重要である。

説明文は、逆に、長い段落が重要になる。

読者に理解してほしいという思いがあるので、より詳しく説明しようとする。

そして、戦いの結果として

「そのまま、ハヤブサと残雪は、もつれ合って、ぬま地に落ちていきました。

「もつれ合って」から残雪はハヤブサの互角の戦いをしたことがわかる。

 

もつれ合うという状態花にを意味するか。

最後までお互いが諦めないで戦っているということ。

 

 

 

 

 

 

 

実践者としての道を求めて

×

非ログインユーザーとして返信する