教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 882回 子どもは 先生の言葉ではなく 行動に従う

昔から誰もが分かっていたことです。
「教育は人間である」「教師である前に人間である」とよく言われる言葉です。


先生と子どもからも保護者からも呼ばれていると、いつしか、自分が偉くなったような気になります。
子どもたちを指導する立場にたつと、どこかで命令口調が多くなるものです。
その癖がレストランで会食する先生たちの姿の中に見え隠れします。
店員さんを呼びつける姿、口調に教室の先生の姿が表れます。


子どもを育てると言いながら、自分を育てることに手を抜いています。
子どもたちは、先生の言葉よりも先生の日々の行動を見ています。
「どんな先生かな」と眺めています。


子どもに同じ言葉で叱っても、注意しても、先生によって子どもたちの反応が異なります。
職員室で「他の先生と同じことを言っているのに子どもたちは僕の言うことを聞いてくれないんです」と愚痴をこぼされます。
それは、子どもたちが先生の行動、人間性を感じ取っているからです。


子どもは先生の言葉に尊敬の念を抱きません。
先生の行動に惹かれていきます。
ここがとても大切なところです。


体調不良の時に、勉強が分からない時に、友だちのことで困った時に、先生が自分にどのように対応してくれたかが先生の価値を決める基準なのです。
決してやさしく接するだけではありません。
時には突き放す厳しさが必要な時もあります。
そし、先生が子どもにどのような行動をとっても、「わたしの先生だから」と尊敬心を抱いている限り、子どもたちは受け入れます。


先生の行動は、ステージに上がった役者です。
すべての行動が子どもたちに晒されています。
目に晒されている点をあげます。
服装 話し方 聴き方 教え方 眼差し 表情 手振り
食べ方 歩き方 靴の履き方 スリッパのそろえ方
かばん 教卓の上の整理 引き出しの中 掃除の仕方
黒板の文字 朗読の仕方 計算の速さと正確さ 挨拶の仕方
教え方 事務で使えに向かっている姿 テストを採点している姿
・・・・まだあると思いまずか、今あげただけでも多いですね。
それぞれが子どもたちへのメツセージです。
言葉ではなく行動をとおして子どもたちの心にしみこんでいきます。