教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想620回 個を生かす学習指導 その4  聞き手の反応を考えて

話すことの心構えは、以前にお話したように、授業の中で指導します。
教材を真中にして、学ぶ過程において、話し方を指導します。
そのほうが、より具体的に指導できるからです。


さて、子どもが話す時に、排除すべきことは「エーット、アノウ」です。
大人でも、話のなかで「エーット、アノウ」を入れる場合が多いです。
私は、職員会の時は、話し方の研究の場でした。
先生方のなかには、この間に意味不明な言葉を入れる人が多いからです。
この話し方で、子どもの前に立っていると、子どもたちも同じ話し方になります。


先生自身が、次の言葉を考えるときは、間合いをとって話す練習をします。
意識していくと、それができるのに時間はかかりません。
時には、子どもに指導しながら、先生も「エーット」を入れてしまいます。
その時には、子どもとともに変えていけばいいです。
先生が完璧である必要はありません。
子どもとともに成長していけばいいことです。
これが子どもたちと生活することの醍醐味です。


聞き手反応を考えて話す
聞き手の反応を話し手がキャッチするためには、聞き手を見て話す習慣が必要です。
こどもたちが発言し始める時が大切です。
「あなたはだれにきいてほしいの?」
「聞こうとしていることをたしかめてから話してごらん。」


話し手が聞き手を意識して話すようになれば、話す速さが変わってきます。
わかってほしいという願いが、話す速さを落とします。
さらに、間合いをとるようになります。
やがて、一番伝えたいことがわかるように、声の大きさを変えます。


以上のことを指導するとき、時々、子どもたちの発言をとめます。
わかりやすい発表があれば、聞き手である子どもたちに尋ねます。
「聞きやすかった?わかりやすかった?」
「どうして、わかりやすかったのかな?」
というようにして、授業を止めて指導を入れます。


話す聞くの指導は、問題があったとき、即座に指導を入れます。
ただし、良い発表を中心に指導します。
悪い発表をとりあげると、子どもが委縮します。
マイナスを指摘するために、プラス点を褒めることです。

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