教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 559回 班活動は 副班長の活動が決めて

一学期は、個人学習とペア学習を中心として、子ども一人ひとりの学習意欲、コミュニケーション力を育成します。
さて、二学期は、小集団を通して、協同的な姿勢を育てます。。


その一つとして、班長・副班長・班員の役割分担です。
この三つのなかでもっとも難しい役割は何でしょうか。
班長のように思われますが、実際は副班長です。


班長は、班全体に配慮して、「見渡す」「まとめる」活動を主とします。
班員は、好きなように自己主張します。
ただし、班長の指示に耳を傾けたり、従ったりします。
ですから、好きなようにしているだけではいけません。
班長という人間を中心に自分の力を発揮して、協力していく姿勢を身につけます。


さて、副班長は、班長と班員の間に入ります。
班員の意見を聞き、班長の思いにも心を傾けます。
調整するのが主な仕事です。


班活動や話し合いにおいて、
班長の司会のもとに班員の意見を発表することが優先されます。
それを聞いて、班長も自分の考えを出します。
さらに、副班長は、班長と班員の考えが異なった時
お互いの考えの共通点と相違点を明確にします。


ですから、副班長になる子は、考える力を必要とします。
班長は、副班長によって支えられます。
二人は、班の活動をする前に事前に打ち合わせをします。
ですから、どのような子どもでも班長の席につくことができます。


実際の指導の場合
各班の副班長を先生が指名します。
それ以外の班長と班員は子どもたちに任せます。
班長は班員と輪番制にします。
2週間で交代させます。
その間、副班長は固定します。
班長会議と副班長会議を一週間に一回開きます。


班長や副班長としての悩みや成果を出し合います。
同じ立場で話し合いの場をもうけることは、非常に効果的です。
もちろん、その中に先生も支援者として参加します


何週間かたつと班の子どもたちは、副班長の役割がわかってきます。
自分もやってみたいという申し出がない限り、特定の子に副班長を継続させます。


副班長は、全体を見渡せること。
友達の立場、気持ちがわかる子どもです。
自分を優先させずに、周りを優先させることのできる子どもです。
はじめからそのようなことができるのではなく、副班長という役割を通して、人間的に成長させる意図をもって指導にあたります。

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